scent of memory

僕は先生でもないし、最初から「正しさ」もない

第二章  地下帝国「地球」

 投打の「二刀流」で米大リーグに旋風を巻き起こしているエンゼルス大谷翔平選手。先日、本塁打数トップで先発登板は“ベーブルース以来100年ぶり”という快挙が報じられた。打者としての特長の一つが、逆方向のレフト側への長打力である。その技術の淵源は、少年時代の環境にあるという。

 

 河川敷の空き地を手作業で整備した練習場では、強打の大谷少年の打球は悉くライト側の塀を越え、ボールは川へ消えていった。練習球を確保するため、指導者は「全部左方向に打て」と指示した。すると大谷少年はどうすればレフト側に強い打球を打てるかを試行錯誤し、練習を繰り返した。するとその年から外角球を捉える本塁打が急増したという。大谷翔平「二刀流」の軌跡』(マガジンランド)

 

 状況に甘んじて、努力を放棄していたら、今の「打者・大谷」の誕生はなかっただろう。不利だと感じるような条件でも、創意工夫を重ね、自身を飛躍させる“バネ”としていく。人生を勝利へと導くのも、その人間としての強さである。

 

 コロナ禍に翻弄される中、望んだ通りの生活を送ることが難しいと感じる。私も希望を抱いて入学したが、オンライン授業となり、昨年登校出来たのは通算で僅か15回となった。オンラインという特殊な環境に置かれ、学ぶ意欲が高くなることは無かった。しかし、その様な後悔を感じているからだろうか、現在でも遠隔授業であるにもかかわらず、昨年とは比較出来ない程に意欲が高いと私自身が感じている位だ。

 

 昨今の感染症という混乱に振り回され、自分自身を取り巻く環境や社会が不利だと感じ、仮に自分の「弱さ」が露呈したと感じても、その「弱さ」を「強さ」に変える時、取り巻く世界は大きく変わるだろう。現状に満足せずに、変えていきたいとの意思があるならば、大きな一歩を踏み出したに違いない。

 

 

 

 

 

 

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地下帝国「地球」

 

出典:club EARTH