第七章「君ならきっと」
大丈夫じゃない人に「大丈夫ですか」と言うこと。
こんなにも頑張っているのに「頑張れ」と言うこと。
これらのことは、決して悪いことではない。
相手のことを想うことで出てくる優しい気持ちだ。
この相手を想う気持ちは伝わるだろう。
しかし、残酷な言葉でもある。
励ます言葉を選ぶことは難しい。
『第五章 Barのロボット』で書いたように、薬剤師が患者に「大丈夫ですか」の代わりに何と聞いたら良いのか。
現役薬剤師で、現在はコミナティー筋注®︎の調剤業務に従事する大学の講師によれば、
「それが原因で出来ないことや、困っていることはありますか。」
などと聞くことだ。
このように聞くことで、患者と目標を共有することができ、QOLを改善することが出来る。
定型文になってしまった「大丈夫ですか」や、冷たい意味を持つようになってしまった「頑張ってね」は、さらに気持ちのこもった言葉に生まれ変わり、これまで以上の温かい意味を持つようになるのではないだろうか。