第六章「頑張れたらそうしたいよ」
パニック障害について知っているだろうか。
パニック障害の症状には
・予期不安
・広場恐怖
がある。
そしてパニック障害は、繰り返される予測できないパニック発作が生じる不安障害で、少なくとも1回の発作と1カ月かそれ以上のまた発作が起きるのではないかという恐怖を感じる期間があり、それにより、多くの場合そのような発作が起きそうな状況を避けるような行動の変化が生じることを指す。
パニック発作は4つまたはそれ以上の以下の症状によって特徴づけられる。
・動悸
・発汗
・震え
・息切れ
・窒息感
・胸の痛み、不快感
・吐き気、腹部の不調
・目まい、ふらつく感
・非現実感、離人感
・自己制御ができない、狂いそうな恐怖感
・死の恐怖感
・凍えたような感覚麻痺、かじかんだ感覚
・寒気またはホットフラッシュ
上記の様なパニック発作の後に、また発作が起きるのではないかという予期不安を感じるようになり、さらにパニック発作を繰り返し経験する中で、パニック発作が起こる状況や場面に遭遇することに恐怖を覚え、そのような状況や場面を避けたいと考えるようになる。
さらに不安がひどくなると、どこに行ってもパニック発作になるのでは?と考える(妄想する)ようになり、そもそも外出せず家にこもるようになり、学校に行く、職場に行く、その他の社会的交流ができないなど社会活動に支障を来たすようになる。
アメリカ精神医学会のDSM(精神障害の分類と統計マニュアル)より
人生のどこかの時点でメンタルヘルスになんらかの問題が生じたと診断される人は、全体の50%を超えると推定されており、また、5人に1人はメンタルヘルスの問題を毎年経験している。
とくに診断が出ることの多い不安障害は、全般性不安障害(GAD)、強迫性障害(OCD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会不安障害、パニック障害だ。
ある研究によれば、女性が不安障害と診断される率は、男性の2倍にのぼるという。
つまり誰でも起こるということだ。
SEKAI NO OWARI のボーカルであり、俳優や画家、作家としても活躍するFukaseもかつてパニック障害であったことを知る人は少なくないだろう。
パニック障害の最大の症状は死への恐怖である。
彼はこう言っている。
「こんなにも頑張って生きてるのに、もっと頑張らないといけない。」
「頑張れって言われると頑張るっていうことが何なのか全く思い出せなくなるんだと思う。頑張れって言われれば言われる程、頑張るっていうのが何のことだか分からなくて、誰も自分の気持ちを分かってくれないんだと孤独になっていく。だから言っちゃいけないっていうのは、俺はそういう意味だと思うな」
「頑張れた方がいいに決まってるじゃないか。」
「頑張れないことが苦しい。」
これが、SEKAI NO OWARI が頑張れと言わず、側にいるような応援ソングになっている理由となっているのではないか。(続く)